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By Sam Wylie
MEESインターナショナルスクール
PBLコーディネーター


プロジェクト型学習(PBL)が子どもたちの未来を育てる理由と、MEESでの実践例

実際の学びとは、どのようなものなのでしょうか。
本記事では、MEESインターナショナルスクールにおけるプロジェクト型学習(PBL)の実践を通して、その価値と意味を詳しくご紹介します。実社会とつながるプロジェクト、異年齢での協働、デザイン思考、そしてフォレストスクールでの学びを通じて、子どもたちは自信と好奇心を育み、これから形作られていく未来に必要な力を身につけていきます。

はじめに:意味のある体験を通した学び

MEESでは、子どもは「現実的で、目的があり、自分の生活とつながっている」と感じられる体験を通して、最も深く学ぶと考えています。プロジェクト型学習(PBL)は、その考えを日々の学びの中で形にする方法です。子どもたちは、ただ知識を覚えるのではなく、アイデアを探究し、問いを立て、問題を解決し、何かを創り出し、その成果を他者と共有します。
PBLは学校で必要な知識を身につけるだけでなく、予測できない未来に向けた力も育てます。自信を持つこと、他者と協働すること、自分の興味を見つけること、困難に挑戦し乗り越えること。そして、「自分はどんな人間なのか」「どんなことに向かっていきたいのか」を少しずつ理解していきます。
MEESでは、PBLに加えて、デザイン思考、異年齢クラス、日常的な探究活動、そして独自の森での学びプログラムを組み合わせています。これらが一体となり、子どもたちが信頼され、支えられ、自ら学びをリードしていける学習文化をつくっています。

なぜPBLが大切なのか:一生使える力を育てる

好奇心と創造から生まれる本物の学び
PBLの魅力のひとつは、子どもたちが自分の好奇心に従って学べることです。アイデアを探し、試し、話し合い、問い直し、改善する。その過程の中で、創造性、問題解決力、言語力、数学的思考、協働力、コミュニケーション力が自然と結びついていきます。

「ゲームとは何か?」をテーマにした Level Up プロジェクトでは、子どもたちは遊びながらゲームを作りました。ルールを試し、壊し、直し、また壊す。あるグループは脱出困難な「温泉牢屋ループ」を考え、別のグループは複数通貨システムを設計し、また別のグループは「行動を貯めて使える」ゲームメカニクスを開発しました。これらは教師が用意した答えではなく、子どもたちの発想から自然に生まれたものです。

経験を通して育つ自信
自信は、教え込むことができるものではありません。時間をかけて、経験の中で育っていくものです。やってみて、もっと良くできると気づくこと。フィードバックを受け取ること。自分のアイデアが形になっていくのを見ること。そして、挑戦に向き合い、少しの努力と周囲のサポートがあれば、想像していた以上のことができると実感すること。
PBLは、子どもたちにこうした自信を育む機会を与えます。プロトタイプを作ること、専門家に話を聞くこと、自分の成果を人前で発表すること、あるいはデザインシンキングを使って地域の公園にある壊れた柵を調査し、修復するなど、実社会の課題に取り組む中で、その自信は育まれていきます。

MEESにおけるPBLの実践:構造と自由のバランス

学びの枠組みとしてのデザイン思考
PBLを教育のアプローチとする一方で、デザインシンキングは、プロジェクトに推進力と明確さを与える枠組みです。生徒たちは「共感・定義・発想・試作・検証」という段階を行き来しながら学びますが、プロジェクトの形は一つひとつ異なります。なぜなら、その方向性を決めるのは、生徒自身だからです。
この枠組みによって、生徒たちは今どの段階にいるのか、次に何ができるのかを理解しやすくなります。同時に、創造性を制限することなく、学びを前に進めることができます。

異年齢クラス
MEESの大きな特徴の一つが、異年齢での学びの仕組みです。これは、同じ年齢だけで構成された教室よりも、実社会に近い学びの環境をつくります。年下の子どもたちは自分の考えを伝えたり、他者の話を聞くことを学び、年上の子どもたちはリーダーシップを発揮し、支える姿勢や柔軟な考え方を身につけていきます。
異年齢での協働は、特別な場面だけでなく、日常の中で自然に起こっています。これもまた、MEESならではの学びの一つです。

森での学びを中核としたプログラム
フォレストスクールは「付け加え」ではありません。PBLの重要な一部です。今年は全校でのフォレストデーを通して、新しいプロジェクトの種が生まれました。佐倉城跡の散策と探究、生き物の観察、自然素材の収集、森の畑での大根収穫(学校で計測も行いました)。そこから、森の地図づくり、昆虫研究、秘密基地づくり、ウォーキンググループなど、新たな探究が広がっていきました。

超学際的学習
数学や言語は、単独で教えられるものではありません。プロジェクトの中で必要になるからこそ学びが深まります。ゲームの検証にはデータが必要です。構造物を作るには計測が必要です。アイデアを伝えるには言葉が必要です。こうした文脈の中で、学びは自然につながっていきます。

ゲームの学習ではおはじきのルールや遊び方を比べたり、言語の時間にはRPGのキャラクターを作ったり、森で収穫した大根を実際に量ったりしながら、生徒たちは学びを自然につなげていきました。

子どもたちは、探究し、創造し、問題を解決する中で最

PBLの実際 ― 教室から生まれるリアルな学びのストーリー

Level Up プロジェクト
生徒たちは現在、自分たちが好きなゲーム(Minecraft、Roblox、カートレース、UNO、Prodigyなど)について調べています。ゲームの仕組みや歴史、ルール、プレイヤー体験、そして「どこを変えたいか」という視点から分析を進めています。今後は、自分たちでオリジナルのゲームプロトタイプを設計する予定で、インディーゲーム開発者を招いてフィードバックをもらう機会も設けています。

日々のパーソナルプロジェクト
生徒たちは毎日、自分の興味や関心に基づいた個人プロジェクトにも取り組んでいます。交通システムの設計、チェスの指導、遊び場のデザイン、アプリのコーディング、アートスキルの向上、デジタルまたは立体的なプロトタイプの制作など、内容は多岐にわたります。教師はメンターやコーチとして、生徒がアイデアを目標や計画、次のステップを持ったプロジェクトへと発展させていけるよう支えています。

異年齢での協働
今年、特に印象的だった場面の一つがあります。年上の生徒が、年下の生徒が作ったクライミング遊具のプロトタイプを見て興味を持ち、「一緒にやりたい」と声をかけたことです。二人は一緒に調べ、一緒に公園を訪れ、アイデアをスケッチし、異なるスケールの模型を作りました。この協働は誰かに指示されたものではなく、そのアイデアを大切に思う気持ちから自然に生まれたものでした。

成長を感じた瞬間
ある年下の生徒は、この一年で学びに大きな成長を見せました。「Who We Are」という探究プロジェクトの中で架空の国の野生動物を考え、3Dプロトタイプを制作し、その後数週間を経て文章表現にもつなげていきました。レベルアップ・プロジェクトでは、ゲームの遊び方を他者に伝える最良の方法は長いルール説明ではなく、操作を見せて自由に試してもらうことだと、自分自身で気づいたのです。「やってみて学ぶ」という考え方は、誰かに教えられたものではなく、彼自身が発見したものでした。
私にとって、このような瞬間こそが、PBLの本質を表していると感じています。

保護者の方からよくいただくPBLについての質問

基礎的な学力はきちんと身につきますか?
はい。従来の学校で学ぶ内容と同じ基礎的な力を身につけますが、よりつながりのある、意味のある形で学んでいきます。

教師はどのように学びを支えていますか?
教師は、指導し、コーチし、伴走し、観察しながら、子どもたちの成長につながる学習体験を設計します。子ども主体の学びとは、教師が完全に手を離すことではありません。子どもたちが安心して、自分で学びを進められるよう支えることを意味します。

PBLはさまざまなタイプの学習者に対応できますか?
はい。子どもたちが支えられ、理解され、信頼されていると感じると、安心して挑戦し、試し、成長することができます。PBLは柔軟性が高く、多様な学びのニーズに対応できる学習方法です。

子どもたちに心に残ってほしいこと

MEESで過ごした時間を通して、子どもたちが何を心に残してくれたらいいかを考えると、私は自分自身の子ども時代を形づくった経験を思い出します。

物語の世界に夢中になるきっかけをくれた、小学2年生のときの先生が作ってくれた温かく本にあふれた図書コーナー。高校時代、放課後まで残って舞台美術づくりを手伝ってくれた美術の先生。そして、6歳の頃、友だちや先生たちと一緒に教室の扉を開け、誰も足を踏み入れていない雪原に飛び出して笑いながら駆け回ったあの瞬間。

こうした経験は、一生心に残ります。だからこそ、大切なのです。

MEESの子どもたちにも、将来振り返ったときに、次のことを思い出してほしいと願っています。
・自分のアイデアが大切にされていたこと
・信頼されていたこと
・一人ひとりが理解され、認められていたこと
・自分らしさに自信を持てるようになったこと

そして、ここで見つけた興味や関心を、どんな道に進んでも追い続けていけると感じてほしいと思います。

結びに, 子どもたちが形づくっていく未来へ

プロジェクト型学習(PBL)は、次のテストや次の学年のためだけの学びではありません。人生そのものに備える学びです。考える力、変化に対応する力、協働する力、そして自分自身を信じる力を育てます。

子どもたちが大人になる頃、世界がどのような姿になっているかは誰にも分かりません。けれど、自分を信じ、学び方を知り、自分の考えに自信を持てる子どもたちは、どんな未来にも向き合っていけるはずです。

MEESは、その一歩を踏み出す子どもたちの歩みを支えられることを、心から誇りに思っています。

MEES東京でプロジェクト型学習を体感する

実際のプロジェクトや子どもたちの探究心、人とのつながりを大切にした学びを提供する東京のインターナショナルスクールをお探しの方へ。MEESでは、子ども一人ひとりを中心に据えたPBLの学びを実践しています。

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